学生の頃、アマチュア演劇団に入っていて、パリの日本大使館で「時間ください」と言う日本人の外交官が書いた芝居の主役を演じた時のことを今でもはっきり覚えている。その時、まだ働いていなかった私が、自分の人生の意味を取り戻そうとする日本人のサラリーマンの役をどう演じたのだろう(どこかにビデオが残っているけどちょっと見るのが怖い…)。

(面白いことに、参加した劇ではなぜかいつも私の役が最後に半裸状態になっていた。200人の前で舞台で服を脱ぐのは銭湯とかとはだいぶ違う経験。だから今は家のカーテンを閉めるのをいつも忘れてしまうのかな)

どうしてこんな古い話をしているかと言うと、実は今までの私の社会人生活を振り向いてみると、子供、学生の時と比べて「自分だけの時間」がほとんどなくなっている様にしか見えなくて、パリの芝居のタイトルが時々思い浮かぶ。

もちろん、家族と過ごす時間は私にとって何よりも大切であり、仕事をする時間はチャレンジいっぱいで楽しいけど、少しだけでも利己的にやりたい事ができる時間がやっぱりなかなか作れない。

やりたい事は他人にはつまらない事、大した事でもないかもしれないが、なぜか今は普段よりそんな時間が欲しいと強く感じている。

そういう風にわがままを言う私が今日、今月末から家族が夏休みでヨーロッパへ帰ることが決まって、七月は独りぼっちになって「自分だけの時間」を突然いっぱいもらうことになって、また悩み事が…

なぜかその時間を無駄遣いにしてしまいそう…やっぱり俺って時間の使い方が下手?